Tremors

心の中の小さな震え。

開かれていく、地平が見える。

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美しいものを見ると
自分の中に
ふわっと花が咲いていくような
脳内に幸福を感じるホルモンが撒き散らされて
じわじわと、自分の中の何かが解放されていく。

これは、羽生さんの平昌での基礎練習の部分を集めたもの。
その基礎練習がとてつもなく美しい。

平昌オリンピックのあとに、
昔からの演技の動画をたくさん見て
日本でやっているときは、動きに癖があり体力もなく
才能はあるけど勢いでやってた感。。。

それからトロントに行き、
基礎からスケートをやり直したことで、
劇的にスケートの美しさは変わっていったのはわかったけど
毎回、毎回動きが美しくなっていくのは、
どんな訓練をしてきたんだろう?と思っていて

いろいろサーチしてたら
スケーティングコーチのトレイシーさんのインタビューに行き当たる。

スタミナ切れで苦しむことが多いので
スタミナをつけようとしたけれど喘息や体質から難しいので
力を使わない滑りを学ぶことを学ばせた。

その滑らかな滑りには、
上半身と下半身の連動性
エッジとフリーレッグと背中の整合性
呼吸の仕方
を訓練する、というようなことが書いてあって

「美しく見せようとしている」わけではなくて
「機能的に突き詰めていったら、美しくなった」
んだな、っていうことがわかる。

だから、バレエをたくさん取り入れなくても
あんだけ美しいんである。

この動画の中の、曲が盛り上がるあたりの
スピードの上がり方を見ていると
なぜなのか、自分の中でも何かが解放されて開いていく。

これは何かを表そうとしている「演技」ではない。
だから、それを見て心が動かされていくっていうのも
変かもしれない。

でも、その整った身体から紡ぎ出されるものは
言葉も感情も乗らないままで
人を感動させることができる。

逆に言えば、整っていなければ「感動させようがない」。

と、いうことを、この前まで通っていた
表現者のためのボディワーク」で、実感してたので
深く納得した。。

なんか、それは、お茶の世界とか能の世界ともリンクするような気がする。

そしてできたら、そんな美しさを、自分の中に持ちたいな、と思うのです。

「開かれていく、地平が見える。」

背中が伸びる思いです。